「あなたの就活の軸は何ですか?」
面接で必ずと言っていいほど聞かれる、この質問。
あなたなら、何と答えますか?
「え…軸って言われても…」
「成長できる環境、とか言っておけばいいのかな?」
「そもそも、どうやって見つければいいのか分からない…」
就活を始めたばかりの頃、僕も全く同じ状態でした。
周りが「私の軸は社会貢献です」なんてスラスラ答えているのを見て、内心めちゃくちゃ焦っていました。
(ここにイラスト:たくさんの分かれ道の前で、どの道に進めばいいか分からず途方に暮れている学生のイラスト)
でも、大丈夫です。
「就活の軸」は、最初から完璧なものである必要はありません。
自分と向き合い、少しずつ育てていくものです。
そして、この「軸」さえしっかりしていれば、あなたは数多ある企業の中から、本当に自分に合う一社を見つけ出すことができます。
それは、まるで航海の時に、自分の進むべき方向を示してくれる「羅針盤(コンパス)」を手に入れるようなものです。
この記事では、
「どうすれば、自分だけの就活の軸を見つけられるの?」
というあなたの悩みに、具体的なステップで答えていきます。
僕が実際に試行錯誤した経験を基に、誰でも実践できるワークシートも用意しました。
この記事を読み終える頃には、あなたは自分だけの「羅針盤」を手に入れ、自信を持って企業選びの海へと漕ぎ出せるようになっているはずです。
目次
そもそも「就活の軸」って何?なぜ必要なの?
2.【STEP1】全ての原点!自己分析から「価値観」を洗い出す
3.【STEP2】価値観を「働き方」に変換する|Will-Can-Mustフレームワーク
4.【STEP3】具体例から学ぶ!就活の軸の作り方ワークシート
面接で「就活の軸」を魅力的に伝える方法【例文付き】
要注意!こんな「就活の軸」はNGだ
まとめ|就活の軸は、あなたを幸せな未来へ導く「お守り」
1. そもそも「就活の軸」って何?なぜ必要なの?
「就活の軸」とは、一言で言えば**「企業選びにおける、あなただけの譲れない条件」**のことです。
それは、あなたが仕事を通じて何を得たいのか、どんな環境で働きたいのか、という価値観そのものです。
では、なぜこの「軸」が必要なのでしょうか。
① 企業選びの「迷子」にならなくなる
世の中には、本当にたくさんの会社があります。
軸がないまま就活を進めると、「有名だから」「給料が高いから」「なんとなく安定してそうだから」といった、表面的な理由で企業を選んでしまいがちです。
しかし、自分だけの軸があれば、その無数の選択肢の中から、本当に自分に合う企業を効率的に見つけ出すことができます。
② 面接での「なぜ?」に、自信を持って答えられる
面接官は「なぜ、他の会社ではなくうちの会社なのですか?」という質問を通して、あなたの志望度の高さを見ています。
この時、「私の就活の軸は〇〇であり、御社の△△という点に強く惹かれたからです」と、自分の軸と企業を結びつけて語ることができれば、その志望動機には圧倒的な説得力が生まれます。
③ 入社後の「こんなはずじゃなかった…」を防ぐ
これが最も重要です。
就活は、内定がゴールではありません。
入社後、あなたが自分らしく、やりがいを持って働き続けることが本当のゴールです。
自分の価値観に合った会社を選べば、入社後のミスマッチを減らし、幸せな社会人生活を送れる可能性が格段に高まります。
(ここにイラスト:羅針盤(コンパス)のイラスト。針が「自分の価値観」と書かれた方向を指している)
2.【STEP1】全ての原点!自己分析から「価値観」を洗い出す
就活の軸は、空から降ってくるものではありません。
それは、あなたの内側、つまり自己分析から生まれます。
まだ自己分析が終わっていない人は、ぜひ前回の記事「【自己分析シート無料】強みと弱みを見つける!就活で役立つ診断ツール」を参考に、自分の過去を振り返ってみてください。
自己分析を通して、あなたの「価値観」の源泉となる経験が見つかるはずです。
どんな時に「楽しい」「嬉しい」と感じましたか?
(例)文化祭で、クラスのみんなと一つのものを作り上げた時
→ 価値観:チームで協力して何かを成し遂げたい
どんな時に「悔しい」「辛い」と感じましたか?
(例)マニュアル通りの接客しかできないアルバイト
→ 価値観:自分の頭で考え、工夫できる環境で働きたい
どんな人を見て「すごいな」「こうなりたいな」と思いましたか?
(例)常に新しいことに挑戦しているサークルの先輩
→ 価値観:若いうちから色々なことに挑戦し、成長したい
このように、あなたの過去の感情の動きの中に、就活の軸の「タネ」が隠されています。
まずは、これらの「価値観」を、思いつく限りたくさん書き出してみましょう。
3.【STEP2】価値観を「働き方」に変換する|Will-Can-Mustフレームワーク
価値観を洗い出せたら、次はそれを「どんな働き方をしたいか」という、具体的な言葉に変換していきます。
ここで役立つのが**「Will / Can / Must」**のフレームワークです。
(ここにイラスト:3つの輪(Will, Can, Must)が重なっている図)
Will(やりたいこと):
自己分析で見つけた「価値観」を基に、「仕事を通じて何を成し遂げたいか」を考えます。
例:「チームで協力したい」→ チームで大きなプロジェクトを動かしたい
例:「成長したい」→ 20代のうちに、専門的なスキルを身につけたい
Can(できること):
あなたの「強み」や「得意なこと」です。
例:粘り強く努力できる、人の話を聞くのが得意
Must(すべきこと):
仕事をする上で、最低限譲れない条件(待遇、勤務地、環境など)です。
例:土日はしっかり休みたい、地元で働きたい、福利厚生が充実している
この3つの視点から考えることで、あなたの「理想の働き方」がより具体的になります。
そして、この3つの輪が重なる部分こそが、あなたの「就活の軸」の核となる部分です。
【アフィリエイト紹介の例】
「Will(やりたいこと)がどうしても見つからない…」という人も多いと思います。
そんな時は、一人で抱え込まずに、キャリアのプロに相談してみるのも一つの手です。
「ポジウィルキャリア」のようなキャリア相談サービスでは、専門のトレーナーがマンツーマンであなたの自己分析を深掘りし、言語化する手伝いをしてくれます。
有料のサービスですが、無料相談だけでも、自分のキャリアを考える大きなきっかけになりますよ。
4.【STEP3】具体例から学ぶ!就活の軸の作り方ワークシート
さあ、いよいよあなただけの「就活の軸」を言語化していきましょう。
以下のワークシートを使って、STEP1とSTEP2で見つけた要素を整理してみてください。
【就活の軸 発見ワークシート】
質問
あなたの答え(キーワード)
→ 就活の軸(文章化)
1. 仕事を通じて、どんな自分になりたい? (Will)
成長、専門性、挑戦
(例)若いうちから裁量権を持ち、専門性を高められる環境で成長したい。
2. どんな風に働いている時が楽しい? (Will)
チーム、協力、達成感
(例)多様なバックグラウンドを持つ人とチームを組み、一つの目標に向かって協力しながら働きたい。
3. どんな貢献をしたい? (Will)
人の役に立つ、笑顔、課題解決
(例)自分の仕事を通じて、目の前の顧客の課題を解決し、直接「ありがとう」と言われる仕事がしたい。
4. どんな環境なら、自分の強みを活かせる? (Can)
(強み)粘り強さ、継続力
(例)すぐに結果が出なくても、長期的な視点で粘り強く取り組むことが評価される環境で働きたい。
5. これだけは譲れない条件は? (Must)
安定、福利厚生、勤務地(地元)
(例)プライベートの時間も大切にしながら、腰を据えて長く働ける安定した会社で働きたい。
【使い方】
まず、真ん中の「あなたの答え」の欄に、自己分析で見つけたキーワードを書き込みます。
次に、そのキーワードを組み合わせて、右側の「就活の軸」の欄に、具体的な文章として落とし込みます。
全てを完璧に満たす会社は存在しないかもしれません。
この中から、「これだけは絶対に譲れない!」というトップ3を決めてみましょう。
それが、あなたの就活の核となる「軸」になります。
5. 面接で「就活の軸」を魅力的に伝える方法【例文付き】
就活の軸が決まったら、それを面接でどう伝えるかが重要です。
ポイントは**「① 軸を伝える → ② なぜその軸なのか(経験) → ③ だから御社なのです(結びつけ)」**の3ステップで語ることです。
【例文】
「私の就活の軸は、**『チームで協力し、お客様の課題を本質的に解決する仕事』**です。(① 軸)
大学時代のカフェのアルバイトで、新人教育を任された経験があります。当初、新人がすぐに辞めてしまうという課題がありましたが、チームで原因を分析し、写真付きのマニュアルを作成するなど、全員で協力して乗り越えました。その結果、新人の定着率が大幅に向上し、お客様からも『お店の雰囲気が良くなったね』と言われた時に、大きなやりがいを感じました。(② なぜその軸なのか)
この経験から、個人の力だけでなく、チームの力で顧客の課題解決に貢献したいと強く思うようになりました。中でも御社は、職種の垣根を越えたチームでお客様と向き合う『〇〇プロジェクト』に力を入れており、私の軸と強く合致すると感じています。私もぜひその一員として、チームに貢献したいです。(③ だから御社なのです)」
このように、自分の経験と、企業の具体的な特徴を結びつけることで、あなたの志望動機は一気に深みを増します。
6. 要注意!こんな「就活の軸」はNGだ
良かれと思って設定した軸が、実は面接官にマイナスの印象を与えてしまうこともあります。
以下の3つのパターンには注意しましょう。
①「成長したい」だけ
成長意欲は素晴らしいですが、それだけだと「会社を成長の踏み台としか考えていないのでは?」と思われてしまう可能性があります。「成長して、そのスキルを活かして御社にこう貢献したい」という、貢献意欲までセットで伝えましょう。
②「安定しているから」
本音としては重要ですが、それをそのまま伝えてしまうと「受け身な人」「挑戦意欲が低い人」という印象を与えかねません。「腰を据えて長く働き、専門性を高めたいから」のように、ポジティブな言葉に言い換えましょう。
③ どの会社にも当てはまる、漠然とした軸
「社会貢献がしたい」「コミュニケーション能力を活かしたい」といった軸は、あまりに漠然としていて、志望度の高さが伝わりません。
「御社の〇〇という事業を通じて、△△という社会課題を解決したい」のように、具体性を持たせることが重要です。
7. まとめ|就活の軸は、あなたを幸せな未来へ導く「お守り」
就活の軸を見つける作業は、自分自身と深く向き合う、少し骨の折れる作業かもしれません。
でも、この作業から逃げないでください。
僕も、就活中は何度も軸がブレそうになりました。
周りが内定をもらい始めると、「もうどこでもいいから内定が欲しい…」と、自分の軸を捨てて手当たり次第にエントリーした時期もあります。
でも、そんな付け焼き刃の志望動機は、面接官にすぐに見抜かれてしまいました。
もう一度、自分の原点に立ち返り、「自分は本当はどうしたいんだっけ?」と問い直した時、初めて道が開けました。
そして、その軸に沿って選んだ会社から内定をもらえた時の喜びは、今でも忘れられません。
就活の軸は、あなたを面接突破に導くだけでなく、入社後もあなたが道に迷った時に「自分はこれのために、この会社に入ったんだ」と、原点に立ち返らせてくれる**「お守り」**のような存在になります。
焦らなくて大丈夫です。
今日紹介したワークシートを使って、あなただけの「お守り」を、じっくりと作り上げていってください。
僕も、同じように悩んだ一人の先輩として、あなたのことを心から応援しています。
一緒に、乗り越えていきましょう。
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